交通事故による手指の後遺障害
手は、手首から指先までの部分を言います。
体の先端にある一部分ではありますが、生活における手の役割はとても多く、作業やコミュニケーション、また鋭敏な感覚器としても欠かせない身体部位です。
交通事故によって手や手の一部が失われたり動かなくなったりすることは、その後の人生に大きな影響を与えます。
本ページでは、手の後遺障害の種類と慰謝料について説明します。
●手の後遺障害の種類
手指の後遺障害は、大きく2種類に分類されます。
・欠損障害
手指を失ったもの
・機能障害
手指の関節の動きが悪くなったもの
●手の欠損障害
3級5号:両手の全ての指を失った状態
全ての指を失うというのは、親指については第1関節から手の甲までの間、それ以外の指は第2関節から手の甲までの間で切断してしまった状態です。
根本から失われることが条件ではありません。
慰謝料金額 自賠責基準:861万円 任意保険基準:1100万円 弁護士基準:1990万円
6級8号:片方の手の5の手指またはおや指を含み4の手指を失った状態
指を失うとは、おや指であればIP関節(指の中間部分の関節)、その他の指であれば第2関節から先を失った場合をいいます。
慰謝料金額 自賠責基準:512万円 任意保険基準:600万円 弁護士基準:1180万円
8級6号:片方のおや指を含む3本、またはおや指以外の4本の指を失った状態
指を失うとは、おや指であればIP関節(指の中間部分の関節)、その他の指であれば第2関節から先を失った場合をいいます。
慰謝料金額 自賠責基準:331万円 任意保険基準:400万円 弁護士基準:830万円
9級12号:片方の手の親指または親指以外の2つの指を失った状態
手の指を失うとは、親指であればIP関節(指の中間部分の関節)、その他の指であれば第2関節から先を失ったものをいいます。
慰謝料金額 自賠責基準:249万円 任意保険基準:300万円 弁護士基準:690万円
11級8号:片方の手の人差し指、中指、または薬指のうち1本を失った状態
手の指を失うとは、親指であればIP関節(指の中間部分の関節)、その他の指であれば第2関節から先を失った状態をいいます。
慰謝料金額 自賠責基準:136万円 任意保険基準:150万円 弁護士基準:420万円
12級9号:片方の手のこ指を失った状態
交通事故により左右どちらかの手の小指を失う状態をいいます。指を失うとは根本からなくした場合だけでなく第二関節から無くした場合も含みます。
慰謝料金額 自賠責基準:94万円 任意保険基準:100万円 弁護士基準:290万円
13級7号:片方の手の親指の骨の一部を失った状態
片手の親指の骨の一部を失い、それがエックス線写真などで確認できる状態をいいます。
折れた骨がくっつかず、指の中に残る(遊離骨片)も含まれます。
慰謝料金額 自賠責基準:57万円 任意保険基準:70万円 弁護士基準:180万円
14級6号:片方の手の親指以外の指の骨の一部を失った状態
手の人差し指・中指・薬指・小指のいずれかの骨の一部を失い、それがエックス線写真などで確認できる状態をいいます。
折れた骨がくっつかず、指の中に残る(遊離骨片)も含まれます。
慰謝料金額 自賠責基準:32万円 任意保険基準:40万円 弁護士基準:110万円
●手の欠損障害
4級6号:両手の手指の全部の機能を失った状態
手指の末節骨の半分以上を失い、または中手指関節もしくは近位指節間関節(親指は指節間関節)に著しい運動障害(硬直)を残したものをいいます。
慰謝料金額 自賠責基準:737万円 任意保険基準:900万円 弁護士基準:1670万円
7級7号:片方の手のすべての手指、またはおや指を含む4本の指が機能を失った状態
指そのものが失われてなくても、神経が一部切断された場合や麻痺し、動かなくなった場合をいいます。
慰謝料金額 自賠責基準:419万円 任意保険基準:500万円 弁護士基準:1000万円
8級4号:片方の手のおや指を含む3本の手指の機能を失った状態、またはおや指以外の4本の手指の機能を失った状態
指そのものが失われてなくても、神経が一部切断された場合や麻痺で動かなくなった場合をいいます。
慰謝料金額 自賠責基準:331万円 任意保険基準:400万円 弁護士基準:830万円
9級13号:片方の手の親指を含む2本の指、または親指以外の3本の指が機能を失った状態
指そのものが失われてなくても、神経が一部切断された場合や麻痺し、動かなくなった場合も該当します。
慰謝料金額 自賠責基準:249万円 任意保険基準:300万円 弁護士基準:690万円
10級7号:片方の手の親指、または親指以外の2本の指の機能を失ったもの。
指の機能を失うとは指本来の働きが出来なくなることで、手指の末節骨の半分以上を失い、または中手指関節もしくは近位指節間関節(親指は指節間関節)に著しい運動障害(硬直)を残したものをいいます。
慰謝料金額 自賠責基準:190万円 任意保険基準:200万円 弁護士基準:550万円
12級10号:片方の手の人差し指、中指、または薬指の機能を廃した状態
指の長さが半分になった状態や、第二関節より先の可動域が2分の1になった状態、指先の痛みや温度、触感などの感覚が完全に失われた状態をいいます。
慰謝料金額 自賠責基準:94万円 任意保険基準:100万円 弁護士基準:290万円
13級6号:片方の手の小指の機能を失った状態
小指の機能を失うとは、小指の感覚が全くなくなる状態、小指の末節骨の長さが事故前の2分の1以下になる状態、小指の中手指節関節又は近位指節間関節の可動域が問題のない手の指と比較して事故前の2分の1以下に制限される状態をいいます。
慰謝料金額 自賠責基準:57万円 任意保険基準:70万円 弁護士基準:180万円
14級7号:片方の手の親指以外の指の遠位指節間関節を曲げ伸ばしすることができなくなった状態
遠位指節間関節(えんいしせつかんかんせつ)とは、指の第一関節をさします。
関節が癒着し、動かない場合や筋肉の損傷により曲げ伸ばしなどが出来なくなる場合をいいます。
慰謝料金額 自賠責基準:32万円 任意保険基準:40万円 弁護士基準:110万円
●後遺障害等級認定のためのポイント
手指の後遺障害等級認定を受けるためには、欠損の程度を証明するエックス線写真等の取得や、運動障害を証明する筋電計による感覚神経伝導速度検査が必要になります。
交通事故で手指を怪我するときは、上肢(肩口から手の先)にも障害が起こっていることが多いので、手だけでなく上肢全体で後遺障害が評価される場合が多いです。
どのような検査を受け、何の書類を準備しなければいけないかは、交通事故で頼れる弁護士にご相談するようにしましょう。
山口県での交通事故は、下関・宇部・周南・岩国の弁護士法人ONEにご依頼ください。