後遺障害等級2級とは(症状と慰謝料)
1.後遺障害等級2級
後遺障害等級2級は、1〜14級ある後遺障害で2番目に重い後遺障害の等級です。2番目ですが重大な後遺障害が残るもので、労働能力喪失率は、1級と同じ100%です。
自動車保険の概況2020年度版では、2019年度に後遺障害等級2級に認定されたのは81件でした。単純計算で考えて、各県で年間1.7件発生しており、誰にとっても決して縁がないと言えない障害です。
事故後の生活を支える資金を手にするためにも、慰謝料など賠償金額はどうなるのかを理解しておきましょう。
2.表と解説
後遺障害等級2級は、下記の4つの症状(1号〜4号)を指します。
慰謝料については、表内の自賠責基準(最低保証金額)、任意保険基準(保険会社が提示する金額)、弁護士基準(被害者が本来受け取るべき適切な金額)をご参考ください。
等級 | 後遺障害 | 自賠責基準 | 任意保険基準 | 弁護士基準(赤い本) | 労働能力喪失率 |
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第2級 | 1号・1眼が失明し、他眼の視力が0.02以下になったもの | 998万円 | 1300万円 ※それぞれ独自に決定するため、あくまで目安 | 2370万円 ※2021年民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準参照 | 100% |
2号・両眼の視力が0.02以下になったもの | |||||
3号・両上肢を手関節以上で失ったもの | |||||
4号・両下肢を足関節以上で失ったもの |
1号:片方の目が完全に失明し、失明していない目の視力も0.02になる状態
失明とは眼球を摘出(亡失)した状態、明暗がわからない状態、明暗が辛うじてわかる状態のことです。
明暗が辛うじて分かる状態とは、暗闇において目の前で点滅させた照明の明暗が判別できる(光覚弁=光の感覚がわかる)場合と、目の前で手のひらを上下左右に動かしてその動きの方向が分かる(手動弁=手の動きがわかる)場合をいいます。
また失明は、眼球・視神経・脳など様々な原因によって引き起こされますが、その理由が何かは問われません。
2号:両眼の視力が0.02以下になる状態
判定される視力は、裸眼ではなくメガネやコンタクトレンズで矯正したもので、視力に著しい障害が残る症状です。
3号:両腕を手関節以上で失った状態
具体的には、肘関節から手関節にかけて、切断や離断(骨同士が切り離されること)したものを言います。
4号:両脚を足関節以上で失った状態
具体的には足関節(足首の関節)から膝関節にかけて切断や離断したものを言います。
3.後遺障害が残ったときは弁護士相談を
本項では2番目に重い後遺障害の後遺障害等級2級を解説しました。
これらの症状に加えて、食事や入浴などの介護が必要になると「介護を要する後遺障害」の1級・2級など別分類となります。
2級はとても重い後遺障害で、受け取る慰謝料は高額なものになります。
しかし適切に後遺障害等級認定を受け、被害に見合うだけの賠償金額を獲得するには、正しい知識と交渉能力が必要不可欠となります。
交通事故後はできるだけ早い段階で弁護士相談をすると、後遺障害等級認定される可能性が高まり、賠償金の増額が期待できます。また事故当事者間の過失割合に折り合いを付けたり、保険会社との示談交渉も代わりに対応するので、治療に専念できるメリットもあります。
交通事故で大ケガを負った際には、速やかに弁護士に相談したほうがよいでしょう。